音大生の私が預けている楽器は、質屋の事業でいうと預かりではなく買取り。
だから質屋には借金の取り立てがないのだそうです。
どういうことなのか、そのときに聞いた質屋のシステムについてお話しします。
▽買取るからこそ万一のときは手放せば終わり。
たとえば貴金属やカメラ、家電製品などでも、説明書や保証書、梱包材などがきちんとしていれば、評価額が高くなって借りられるお金も増えるのだそうです。
ところで質屋は質草を担保にお金を融資してくれるところではありますが、手続き上は、「楽器でも何でもいったん買取った形式になっている」というのを、東京の馴染みのオーナーから聞いて初めて知りました。
▽質屋を知らない世代、若い友だちの感動。
音大の仲間とは関係のない私の友人を、私が良くお世話になっている東京の質屋に紹介したことがあります。
その友人の質草はヴィンテージもののエレキギターでした。
「これだけは手放したくない」というので、横浜から東京までわざわざ来てもらって、馴染みの質屋に案内しました。
彼も質屋は初体験だったので、質草・担保、買取り・預かりといったシステムを話すと、すごく感動していました。
▽融資してもらったお金を完済して楽器を再び手にするか、それとも手放して終わりにするか、利用者に選択肢が残されているのがいいです。
私の楽器でも、金利さえ払っていればいつでも取り戻せる、しかも最悪、私が金利を払えなくなっても、楽器を手放してしまえばそれで完結。
取り立てにあうことがないというのも、質屋では“買取り形式になっているから”なのです。
将来、どうなるかわからないのが人の生活。
柔軟に対応してもらえる質屋のシステムはありがたいです。